「チェンマイ再び」で感じたこと
2016年1/13~1/19まで、チェンマイへ行ってきました。行程は1週間ですが、前後は移動日で「実質5泊5日」の滞在でした。旅行中「チェンマイで感じたこと」を綴っておきます。
 ■街が綺麗に
チェンマイは4年ぶりの訪問です。第1印象は「街がきれい」になったことです。新しい建物が建ち、街路も綺麗に清掃されています。建物が新しいだけではなく西欧的な意味で洗練されています。これなら「東京の街角」でも通用しそうでした。人々のファッションも洗練されてきたように感じました。
前回と泊まったホテルの位置が違うのですが、今回は「街角の娼婦」を見かけることがなかった(私が気付かなかったかも)。

ホテル近くの夜景

ドイインタノン探鳥メンバー
左から、灰庭さん・吉川さん・私・チンタナさん・家内
 ■車と交通マナー
街がきれいになったという印象に、車の要素も多い。前回はボロボロの車が多いという印象ででしたが、今回は新車がとても多くなっていた。更には、車が増えバイクが減った(と言っても、日本と比べればはるかに多い)。
これらの車やバイクの運転マナーに、日本的な信頼関係はない。
特に、歩行者には不親切です。横断歩道はあってもアクセサリーで、車が止ってくれることはない。広い道路の横断は自己責任で命懸けです。狭い歩道には、街路樹や信号塔があり、健常者でも歩き辛い。街そのものが「歩く」ように出来ていない。
速度規制はあるが取り締まりがない(スピード測定器が普及していない)。

今回の旅行でも、チェンマイ在住のマルさんにお世話になりました。
マルさんのお陰で「安くて美味しい」料理をたらふく食べてきました。マルさんもアルコールが好きで「毎日飲酒運転」でした。これが心配でしたが、場所を選べば「検問はない」と言うことでした。現実問題として、公共交通機関(バスや電車がない)がなく、移動はマイカー・バイク・乗合タクシーしかない。乗合タクシーを利用するには「交渉が要る」そうで、タイ語が放せない旅行者だけで利用するには無理がある。と言うことで、結果的に連日の飲酒運転となった。ちなみに、飲酒で捕まるとその場で逮捕収監されるそうです。裁判で罰金が決まり納付しないと釈放されない、厳しい運用だと聞きました。

 ■言葉と文化
チェンマイは、ランナー王朝の古都です。今回は、ブレることなく「探鳥」に特化し、寺院を始め市街地観光をしておりませんが、とても美しい風景がある。
ガイドをお願いしたサリンさんによれば「チェンマイはタイ王朝に征服された」そうです。
チェンマイには「チェンマイ語」が存在し、タイ語とは8割方違うという。いわば別言語です。学校教育ではチェンマイ語をまったく教えないため、チェンマイ文化の伝承に赤信号が灯っているという。

今回の旅行では、ネット社会ならでは「ネット繋がり」の多くの方の好意で楽しい旅が出来ました。
 □マルさん(家内のメル友・鳥友)、チェンマイ在住、日本語・英語・タイ語
 □サリンさん(観光ガイド、マルさんの紹介で)チェンマイ、日本語・英語・タイ語・チェンマイ語
 □チンタナさん(プロ野鳥ガイド、マルさん他複数の紹介で)チェンマイ、英語・タイ語・チェンマイ語
 □吉川さん(野鳥ガイド補佐、チンタナさんの弟子、家内のメル友)、チェンマイ在住、日本語・英語・タイ語
 □ワンさん(ドライバー、サリンさんの従弟チェンマイ)、日本語・英語・タイ語・チェンマイ語
 □灰庭さん(鳥友、酒友)大阪、日本語・英語
 □喜代子(家内)和歌山、日本語
 □私、和歌山、日本語
言葉は私たち夫婦が不自由だけで、みなさん達者な方ばかりでした。それでもチェンマイ人のサリンさん・ワンさん・チンタナさんだけで話す時は「チェンマイ語」で、日本人は誰も理解できなかった。さて?どんな内緒話だったのだろう?

ナイトバザール

本格的な中華料理
 ■賃金と物価
肌で感じる「物価」は、政府の発表と異なるかもしれないが、書いてみます。
私が接した費用は、
 ・ガイド料やマッサージ等の費用
 ・毎日の食事
タイの大卒初任給は5万円だそうです。日本の1/4と言ったところでしょうか。ただ、労働時間が長いの労働条件を加味すると、日本の1/5という感覚です。
今回の探鳥では、ガイド費用は1日9000円です。国内(北海道や石垣島)、オーストラリアと比べれば格段に安い。ただし、タイでガイド料9000円は高額だそうです。

食事のコストにも触れておきます。
 □中華料理
本格的な中華料理に行きました。お店も綺麗です。ここで8品の注文をしビール2本を含めて4750円でした。
 □飲茶料理
27蒸篭、ビール5本、アイスクリーム2個で3000円でした。

ナイトバザールで手工芸品の安さにも驚きました。芸術村と言った建物があり、気にいた「鳥の絵」を購入しました。大きさは15号くらいです。値札は5400円でしたが、交渉の結果3900円になりました。

追記1
タイと真逆がオーストラリアです。
オーストラリアの最低賃金は「1700円/時間」です。日本の倍ですが、労働環境を加味すれば、日本の3倍の人件費といった感覚です。その代り、缶コーラが500円と言ったように物価も3倍です。
どちらが過ごしやすいかは明瞭です。
夫婦でオーストラリアへ旅行する費用で、タイなら2.5回の旅行が出来ます。

 ■トイレ
海外旅行で絶対に見ておきたいのがトイレです。「トイレを見れば文化が分かる」これが私の持論です。

今回の旅行中も、どこも「水洗トイレ」でした。浄化法式は分かりませんが、ポッタン便所はなく、汚くもありません。ただホテルを含め、何処のトイレにも「ハンドシャワー」がついている。これが分らなかったのですが、ガイドさんに尋ねたら笑われた。タイの国では、
 ・用を足した後「これで洗う」
 ・洗った後でペーパーで湿りを拭く
 ・拭いたペーパーはゴミ箱へ
タイのペーパーの9割は「流せない紙」そうです。どうやらこれが理由で「水で洗う」ようです。
灰庭さんがこれを使用したそうですが「とっても冷たい」そうです。
こんな面倒をするなら、日本のようにウオッシュレットの方がずっと良い。施工コストもウオッシュレットの方が安いのではなかろうか。

追記1
自然学習センターのトイレへ行った。小用の私はすぐに終わり、水を流そうとしたのですが「断水」です。隣のブースで大便中の灰庭さんに水が出ないことを伝え「紙はあるか?」と尋ねれば、答えは「ない」という。それからちょっとドタバタがありました。
追記2
小便器も取付位置が高く、足の短い私は「届くかどうか?」とても心配でした。

 ■気温
13日の旅立ちの日、気温は5℃と冷えていた。香港到着時が17℃、チェンマイ到着は28℃でした。
翌14日のドイプイは標高1200mでアノラックを羽織った。
15日はドイインタノン(タイの最高峰)標高2565mで気温は3℃でした。翌日は山頂まで行かなかったのですが、16日の山頂は1℃だったそうです。
昨日のチェンマイ市内は暑く、日中は半袖で過ごした。 
このように気温は乱高下です。同じ場所でも朝と日中では20℃近い温度差があり、何時も着たり脱いだりの繰り返しでした。帰国を迎えた日(19日)ネットで気象情報を調べたら「大雪・強風」とある。チェンマイ旅行は「温度差の旅」でもありました。
 ■標高と鳥果
探鳥成果の集計が出来ていませんが、概略こんな感じです。
 ・15~16日のドイインタノンの探鳥で約100種
 ・14日、17日、18日はチェンマイ市内で探鳥で約50種
探鳥ポイントは、
 ドイプイ(山岳地)・ラマ9世公園(市内の公園)・給水池(市内の高地)・チェンマイ郊外の荒れ地
 ドイインタノンのふもとの畑(標高300m)~山頂(標高2565m)まで、標高を輪切りにして探鳥
 チェンマイ郊外のボタニカルガーデン(低い山岳地)
 チェンマイ大学メイフィアキャンパス(市内)、自然学習センター(低い山岳地)
環境と標高の違いが旨く絡まり、限られた留鳥以外意外はダブることもなく、多くの種類に出会えました。ご案内いただいたのは、マルさん・チンタナさん・吉川さん・サリンさんですが、うまく棲み分けが出来たようです。
 ■四角い電柱
チェンマイの電柱は四角の断面だった。
我国の電柱は円形断面です。これって、結構技術が必要なのです。円柱は空洞を持っていますが、これは遠心機に掛けながらコンクリートを凝結させからです。これにより高強度と軽量化を計っています。

タイの四角の電柱には、きっと空洞は無いだろう。いまのタイの技術で背伸びせず、もっとも単純に製作できる電柱だと思う。我国の電柱ほど高くはなく、架線量も少ない。これなら強度が低くても大丈夫だし、腕木の取付も容易です(円柱から腕木をだすには技術がいる)。

余談ですが、オーストラリアの電柱は、ユーカリの利用が多かった。電柱にもお国柄が出て面白い。

さて、次にチェンマイへ来る機会はあるだろうか?
何事もなければ、きっと時間はたっぷりある。心配なのは「健康とお金」だな…