北タイ『野鳥三昧』
旅行雑感
 
北タイ『野鳥三昧』で感じたことを書き留めておきます。

 ■戒律
タイでは、僧籍に身を置くことは通過儀礼らしい。ただ、生涯僧籍にあるのは2割程度とのこと。
お坊様の地位は高く、そのトップは新国王の就任とともに変わるそうです。私たちがタイへ到着した前日が「就任式当日」で、全土のお寺でお祝いがあったそうです。
お坊様の戒律は厳しい。流石は小乗仏教らしく、きめ細かく決められており、戒律の数は270を超えるという。食事は「1日1食」で、11時に鐘がなり、食事時間が知らされる。これでは太る分けはなく、高僧が痩せこけているのはこんな理由による。なのに、メタボな僧侶がママ目につくのは、破戒僧であろうか?

一般人の仏教徒にも「5つの戒律」が定められている。
 ・不殺生(ふせっしょう) 生き物を殺さない
 ・不偸盗(ふちゅうとう) 盗まない
 ・不(邪)淫(ふ(じゃ)いん) (浮気)性行為を行わない
 ・不妄語(ふもうご)  嘘をつかない
 ・不飲酒(ふおんじゅ) 酒を飲まない
これだけでも、私は仏教徒になれない。
 ■バーダー
タイではバーダーが多い。誰も立派ないでたちです。
 ・移動のための車とテントなどの重装備
 ・巨大なレンズと専用のウエア
ウイークデーにも関らず、年齢層も幅広く老若男女が大勢おり、見るからに裕福だとわかる。私たちのようなジーパンにコンデジなんて安易な装備ではない。これだけでも「この国は豊かなのだ」と分かる。
夜明け前の早朝から場所取りが行われ、撮影用テントがならぶ。目的の野鳥が「そこへ出てくるよう」餌付けしており、息をひそめて待っている。
野鳥を呼び寄せる「餌」が堂々と置かれいる。
 「これでは写真に餌が写るだろう」と言ったら、
 「フォトショップで消せばよい」問う返事でした。
写真加工技術も凄いもので、背景は置き換えられて「野鳥だけがクッキリハッキリ」になる。これなら、カモフラージュなど何も必要ない。

私達は『歩く双眼鏡』と言われる、プロ探鳥ガイドのチンタナさんの主義に賛同して、餌場で待つのではなく「歩き回って」探す探鳥でした。チンタナさんは「神の目」で、次々と野鳥を発見し、私たちを楽しませてくれる。但し、帰ってから写真を整理し始めると、8割が「枝かぶり」です。まさに自然の中の野鳥なので、納得しています。

 ■少数民族
タイ北部を中心に少数民族が住む。
私は全く詳しくないが、ネットで検索すると12の部族がいるらしい。この他にも、中国雲南省からの避難民もいる。今回の旅でも、少数民族の住む地域の探鳥地を何ヶ所か訪れている。そこに入るのは「有料」で、概ね清掃が行き届いており、清掃員の姿も多かった。有料化には下記の費用を賄う意味がある。
 ・環境保全
 ・少数民族の雇用確保
入場料は、外国人には高く(50~500バーツ)設定されており、自国民には無料か格安でした。
ちょっと驚いたのは「入場料が値切れる」ことでした。但し、このお金が国庫に納入されている保証はない。これも少数民族への思いやりであろうか?
 ■国境警備
今回の北タイ訪問地は、ミャンマー国境沿いと言うこともあってか、軍の駐留地が多かった。必ずゲートがあり、兵士が駐屯しているのですが、緊迫感は感じられない。
ドイ・アンカンでは新国王のお妃様が訪問中ということで、特に警備が厳しかった。車に兵士が乗り込んできたが「日本人」と分かると、簡単に通過が許された。日本人であることに感謝でした。
 ■放屁
探鳥日は4時半に起床。朝食を済ませて目的地に向かう。
吉川さんのスケジュールは完ぺきで、夜が明ける7時過ぎに目的地に到着する。それから日没まで、10時間くらい歩き回って探鳥です。トイレはなく男女とも「花摘み」で済ます。

常に行動が一緒なので、こっそりおならをする場所もない。歳をとれば腸内ガスの発生が多く、とても我慢できるものではない。まあそんな分けで、誰もかれも「お構いナシの放屁」となるのは自然の成り行きでした。
 ■トイレ
郷に入れば郷に従えで、タイ式のトイレにも慣れた。
用を済ませた後、水洗ノズルで洗い、ペーパーで湿り気をふき取る。ちなみに、ペーパーは水に融けないので、流すのは不可です。
問題は、ノズルもペーパーフォルダーも背面にあることです。これは何処のトイレも一緒でした。人間工学で考えたって「オカシイだろう」と思う。すっかり体が硬くなった私は、これを取るのが大変でした。

北タイでは「ビルマ便器」も多かった。水洗とは名ばかりで、これなら「花摘み」の方が良いと思った。
 ■タイ式マッサージ
帰国前日の夜10時、ほろ酔い状態でタイ式マッサージへ行きました。
担当さんは、スリムで綺麗で若いタイ美人でした。ところが、マッサージが始まると『何処からこんなパワー!』と思うほどです。日本のマッサージと違い、手足を使って「ツボと関節」を攻めてきます。あまりの痛さに、思わずうめき声が出るほどで、タイ式マッサージもルーツは「武道」ではないかと思えてきます。そのくせ、頑固な私の肩こりも数分で揉み解していきます。
普通は2時間ですが、もう遅い時間なので1時間でお願いしました。それでも十分に体がリラックス。気持ちのよさに注意力が散漫になり「カメラを忘れた」ことに気付いたのは、翌朝でした。マッサージを受けるには着替えるので、その時、籠に置き忘れたのだろう。

翌朝お店へ行き、カメラの置き忘れはないかと尋ねたのですが、キッパリと「ない」と言う。まあ安いカメラですから、仕方ないかと思ったのですが、1日分のデータが消えるのが辛かった。
ホテルのフロントで「カメラ紛失」を告げて、散歩へ行きました。1時間ほどで帰ったら「やっぱりお店にあった」という。いかなる状況変化があったのだろう?深くは追及しないでおこう。
 ■クリーニング
気温差が大きいことが予測されたので、衣類が多い。そこで、チェンマイ滞在中は「毎日クリーニングに出す」ことにして、衣類のセット数を減らした。
靴下・パンツ・アンダーウエア・アウターウエア・帽子まで二人分のクリーニングで、300バーツ(約900円)であった。これならずいぶん助かると思った。とは言え、現地価格としては高いそうです。
洗濯設備のない家が多く、「月極契約」でクリーニングに出す家が多いという。価格は、2~3千円程度だそうです。