オーストラリア旅行で感じたこと
禁酒とアポリジニ
アポリジニは、オーストラリアの「先住民族」です。
  https://etas-auvisa.com/indigenouspeople/index.html
1788年、ヨーロッパからの入植により、アボリジニの生活は大きく変化しました。入植者から持ち込まれた伝染病(天然痘・梅毒・インフルエンザ・麻疹など)が抗体を持たないアボリジニの間で急速に拡大します。先住民の人口は大幅に減少し、入植者との土地をめぐる争いにも敗れたことで次第に社会の隅へ追いやられてしまいました。その後も土地の権利をめぐる争いは繰り返され、今日に至るまで正式な合意に至っていません。
オーストラリアの州政府の権限は強い。
恐らく、アポリジニへの対応も「州ごとで違う」のだろうと思う。私達が旅をしたのはクイーンズランド州で、以下は私の体験の限りと思って読んでいただきたい。

写真右は「アポリジニの聖地」だそうです。
年に1回、オーストラリ各地からアポリジニが集まり「聖なる儀式」が行われる山です。
一般人も見学は出来るそうですが「発言は禁止」と聞きました。
アポリジニは文字を持たぬ民族だそうです。白人が入植後も、迫害はしても教育をすることもなかったのあろう。アメリカ大陸のインディアンとよく似た立場で、白人に追い立てられ、今は「居留区」に住まう。
ようは、白豪主義のオーストラリアの被害者と言ってもよい。居留区が決められ「生活保護」で過ごしている。
居留区に住むことを強制されているわけではない(と思う)。一部の人ですが、居留地を出て「働いている人」にも出会ったが、労働意欲は高くないという。

白人と接触して、覚えたものに「飲酒」がある。
一般的に「アポリジニは酒に強くない」そうで、酔っての事件が絶えなかったという。そこで、アポリジニ自身が「禁酒」を決め、それを州政府が「法で定めた」と言う。
私達が泊ったゲストハウスから、100mも行けば「居留区」でした。
レンジャーによる「抜き打ち検査」があるそうで、居住区に酒類の持ち込みが発覚すれば「一生を棒に振る」可能性もある。そのため、ガイドの太田さんから「厳重に注意」された。

写真は、空港(今は民間空港ですが、ラバウルへの反攻基地でした)に設置された「酒類持ち込み禁止」のサインです。ここに記された罰則は
 ・罰金 75000豪ドル(約750万円)
 ・懲役18か月
 ・自動車没収
半端ないことが分かるでしょう!

夫婦でジャングル散策中に迷子になり、ジャングルから抜けたのはアポリジニ居住区でした。幸い、アルコールは所持していなかったが、ぞっとする話です。

探鳥地で、アポリジニ以外「立入禁止」の区域があった。どのような地域が選ばれるのか?分かりませんが、アポリジニにとって「聖なる地域」ではないかと思う。そんなところに野鳥が多く、私達は「サインに気づかぬふり」で入った。
 追記1
日本にも「先住民がいた」と思っている人が多いが、それは間違いです。
縄文時代に氷河期があった。北海道から東北にかけて「文化圏」を築いていた縄文人は、寒冷化から逃れて南下した。その隙間に、シベリアから侵入した民族が「アイヌ」です。日本人のDNAには、縄文人の血が受け継がれており、縄文人こそ「先住民」です。
 追記2
アポリニジ居住区で「酒類は厳禁」ですが、クイーンズランド州全体でも「禁酒」に近い。酒を売っている店が極端に少なく、時には購入の際「身分証明」を求められる。酒飲みは『悪人』扱いされると感じました。