初夏の道東『野鳥と野草三昧』
野草三昧
6月20日(曇り) 早朝6時に和歌山をスタート。羽田を経由して12時10分「たんちょう釧路空港」に到着。この日のコースは、
温根内(釧路湿原)⇒釧路自然公園⇒厚岸「愛冠岬」でした。
釧路到着時10℃、最高気温20℃、19時ポロト到着11℃
2月21日
(曇り一時小雨)
3時半起床、気温6℃(おそらくこれくらい)。最高気温11℃
8:45ポロト出発。今日は霧多布周辺を回る。
あやめヶ原⇒涙岬⇒藻散布沼⇒風澗林道⇒霧多布湿原センター(湿原見学)⇒奥琵琶瀬⇒霧多布湿原⇒霧多布(湯沸)岬⇒アゼチの岬⇒温泉
2月22日(曇り) 4時半起床、霧、朝の気温10℃
8:45出発。ハシリコタン⇒茨散沼(ばらさんぬま)⇒酪農喫茶具ラッシーヒルにて昼食。
厚床駅より釧路に向かう。釧路よりレンタカーにて美留和へ
2月23日(晴れ) 6時起床。霧多布と違いこちらは暖かい。最高気温は20℃超
森つべつ・ランプの宿⇒チミケップ湖⇒津別峠展望台⇒和琴半島
2月24日(小雨) 5時半起床。最高気温18℃
9時にチェックアウトして、途中「網走監獄博物館」へより、女満別空港へ向かう。夕刻に和歌山到着
130620〜130624の5日間、道東を楽しんできました。
道東の新緑は溢れており、野鳥を見つけるのは容易ではありません。そこで「野草三昧」も目的にしていました。

北海道の植物で気付いたことが二つある。
 1.草木がやたらデカい。木は高く、葉1枚ごともデカい。
道東は晴天が少なく夏でも気温が低い。光合成の効率の悪さを「デカさでカバー」するかの如くであった。
 2.高山植物と共通性ある野草が多いように思った。
この感想は間違いではなかったようで、高山植物のルーツは「寒冷地植物」だそうで、氷河期と関係がある。

ここで紹介する多くは『高山植物』に近く、実はとても小さな花が多かった。花と葉を対比してご覧いただければ、その比率でお分かり頂けると思う。

  ■温根内(釧路湿原)



       ヤナギ(種類不明)綿毛が空気中に浮遊しており「花粉症」にならないかと心配でした

アマドコロ

キスゲ

バイケイソウ(湿地では至るところで出会った)

ヒメカイウ

ヤナギトラノオ

サギスゲ

ハナタネツケバナ

釧路湿原「温根内」の風景・カキツバタ

               カキツバタ

ヤチヤナギ
地味な草ですが「ハーブとしての評価かは最高」だそうな。但し、折滅危惧種で採取禁止。そのため人工栽培の研究が急がれている。

ミツガシワ

コタヌキモ

イソツツジ

イソツツジ(とても美しい)

ワタスゲ(泥炭の厚い湿原で群生)
道東の湿原は「泥炭=石炭になれなかった原始植物」で成り立っている。泥炭層が厚いほど養分が少なく、生息できる植物が限られる。同じ湿原でも泥炭層の厚さで風景は一変する。

コツマトリソウ

ハスカップ

ツルコケモモ

アヤメ(湿地から少し離れて咲く)
旅行中、至る所で出会ったのが「蕗」である。大きなものは2mにも達するそうで、自然バランスを崩す植物となっている。景観を守るためにカットされた場所もあったが、果てしない戦いに見えた。

   ■釧路自然公園

シャク

コンロンソウ

クリンソウ

名前不明

クサノオウ

   ■厚岸「愛冠岬」


岬に続く草原は「原生花園」なのですが、今年は季節が遅れていました

シコタンキンポウゲ(ウマノアシガタに似ている)

   ■ポロト案内舎(宿泊)付近早朝散歩

センダイハギ
至る所で見かけたが、名前のイメージと全く別であった

タチツボスミレ
関西で見るスミレの倍ほど大きい

エゾノシシウド

ハルザキヤマガラシ

ハクサンチドリ(海に近いところでは良く見かけることができた)

   ■あやめヶ原
厚岸道立自然公園「あやめヶ原」
名が示す通り、アヤメが群生する「原生花園」である。
ただ、ここでも季節が遅れており、アヤメはチラホラだけでした。
あと1週間すれば「見ごたえがある」そうですが、タイミングが合いませんでした。

原生花園は、放牧された馬が「色花を嫌う(微毒がある)」ため、結果として『花園が出来上がる』というわけである。
ただ、全ての花が咲き揃う分けではない。種ごとに咲く時期を迎えるので「色とりどり」とはならない。

シコタンタンポポ

ハクサンチドリ(白花)

   ■涙岬
岬先端の「人面岩」が涙を流しているように見えることから、この名がついた。

ここも原生花園であるが、やはり季節が合わない。
ちなみにここは『ケイマフリ』が観察できる貴重な場所である。

センダイハギの群生

スズラン

   ■藻散布沼⇒風澗林道
探鳥目的のコースで「野草」の記録はない。
ただ、風澗林道でホウの木の蕾(写真右)を見つけた。

水辺を占める植物は
 ・フキ
 ・バイケイソウ
 ・ヨブスマソウ
(ヨブスマとは「こうもり」のことで、三角形の葉が特徴)
どれも「大きくなる」ことが特徴である。そのくせ、競争力はないようで、他の植物がある場所では少なかった。

   ■霧多布湿原センター


エゾノコリンゴ(サクランボより小さなリンゴが出来る。種ばかり食べられないそうである)

カラマツソウ

クシロハナシノブ

エンコウソウ

フタマタイチゲ

ヤチボウズ(状態をいう

ワスレナグサ

ギョウジャニンニク

オオバナエンレイソウ

   ■奥琵琶瀬

エゾツルキンバイ

ハスカップの花

   ■霧多布湿原(センターと反対側)

霧多布湿原(泥炭の厚い部分)見渡す限りのワタスゲ。泥炭が厚く窒素分が少ないため、
他の植物は繁殖できない。ワタスゲは競争力が弱く、このような場所でないと生きられない

霧多布湿原(センターと反対側)美しい原生花園状態となっていた

エゾカンゾウ

クロユリ

オオバナエンレイソウ

スミレ

ヒオウギアヤメ

湿原(原生花園状態)

   ■ハシリコタン

ここも原生花園だが、季節が合わなかった。
コタンとは「集落」という意味だそうです。風蓮湖に突き出た海抜0mの集落で「漁業」の街です。風が吹き渡る環境で、大きな木はありません。植物の名前に「ハマ」とつくモノが多い。

             ハマエンドウ

   ハマニンニク(イネ科の植物で米のように実がつく)
「ユキホオジロ」の大好物で、冬は絶好の観察地となるが、雪で閉ざされた道を5q以上歩く必要があるとか。まず無理やろな

シロヨモギ

キジムシロ(これは本州でもよく見かける)

コウボウムギ

エゾオオバコ

ハマハタザオ

ルピナス(園芸種が野生化した)

サンザシ(バラサン沼にて)

   ■茨散沼(ばらさんぬま)
別海十景の一つ「ばらさん沼」です。湖面に浮かぶように小さな花が咲いていました(かなりズームで撮影)

ネムロコウホネ
酪農喫茶グラッシーヒルにて昼食。これで日高さんとはお別れです。
この後、厚床駅よりJRで釧路に向かう。釧路からはレンタカーで移動。今夜の宿泊は美留和の「すばるの宿」です。途中、摩周湖へ、3度目の正直で「霧のない摩周湖」と出会えました。それは『旅行紀』の方でご紹介します。

美留和は道東でも「内陸」になります。気温も5℃以上高く、寒さはありませんでした。
これ以降は「探鳥と観光」で、ご紹介できる植物は少ない。それは「旅行紀」の中で取上げていきます。最後になりますが、ハマでは時期尚早で出会えなかった「ハマナス」が美留和で咲いていました。