冬の道東『野鳥三昧』
2月22日(金)晴れ
6時半起床。気温零下15℃、昨日より寒い朝です。食事までは、ポロトのバードテーブルにやってくる野鳥を楽しんだ。昨日のメンバーに、エゾアカゲラが加わった。

8時朝食、9時出発です。まずは霧多布港へ。ほぼ氷結状態で僅かに残る開口面に、
 ・クロガモ
 ・ホオジロガモ
 ・コオリガモ
 (氷が好きなことからこの名がついた)
この3種がいた。
霧多布港は車からの観察で済ませ、霧多布岬へ向かいました。
霧多布岬()は、ポロト案内舎から近く、昨夜ノンビリした町営温泉「ゆうゆ」のホンに近くだ。そう言えば、とても勇気がなくて「露天風呂」は利用しなかった。

岬の先端。海が氷結を始めている。丸い拳くらいの氷が出来て、
やがて結び付いて全面結氷となって行く様がとてもよく観察できた

霧多布岬にて。家内の背景の草原は、夏は「原生花園」となる。綺麗だろうな!

霧多布の崖に4羽のオオワシがいた

コクガン

オオハクチョウとコクガン

襲い掛かるオジロワシ
寒い!顔が痛い
風速1mは、体感気温を1℃下げるそうである。風が強い霧多布では、ホンマに寒かった。
 ・ノスリ
 ・オオセグロカモメ
 ・トビ
 ・オジロワシ
 ・オオワシ
猛禽類が良く飛翔しているという岬に移動したが、いませんでした。
私たちにはキツイ風でしたが、猛禽の飛翔にはもっと強風が必要だそうです。
琵琶瀬湾()へ移動した。
ここには、国鳥にして特別天然記念物「コクガン」が多数いる。「生死に問わず届出が必要」な絶滅危惧種です。
大変臆病で、私が半歩動いただけで飛び立たれてしまった。
 ・コクガン
 (大きさはマガモ程度)
 ・オオハクチョウ
 ・オオセグロカモメ
 ・オオワシ
 ・オジロワシ
オジロワシが襲い掛かるも、コクガンの逃げ足は速い。オジロワシの猟の姿を、旅行中に何度も見たが、成功した試しがない。オジロワシもオオワシも、案外不器用でした。

人間の骨をも折るという「強打の翼」を持つオオハクチョウは、猛禽類が現れても悠然としている。猛禽類も怖さを知っているようで、オオハクチョウを襲う様子はない。

襲うオジロワシ・逃げるコクガン

霧多布湿原

エトピリカの形をしたトイレ
次は、ヒシリップ沼()へ移動です。
途中、霧多布湿原を一望できる丘でトイレ休憩しました。

公衆トイレは「エトピリカ(写真右)」の形をしていた。
エトピリカには出会えませんでしたが、このイメージで満足としましょう。

この地では、トイレの維持は容易ではない。なにもかもが凍結する世界である。水洗トイレを維持するだけで、とてつもないエネルギー使っている。
ヒシリップ沼に到着しました。開氷水面で、かつて「鳥インフルエンザの発症」で閉鎖されたこともあるそうです。
 ・オオハクチョウ
 ・オジロワシ
 ・オオワシ
 ・ヨシガモ
 ・ヒドリガモ
 ・ホオジロガモ
  (写真右)
 ・カワアイサ
 ・ウミアイサ
 ・カモメ
 ・ユリカモメ
 ・オオセグロカモメ

オオハクチョウ

オオハクチョウ

ウミアイサ

カワアイサ

写真左:カモメ/写真上:ホオジロガモ

中央:ヒドリガモ

手前:ヨシガモ

これで日高さんにお願いしていたガイドは終了です。
茶内()まで送っていただき、12:06初の鉄道で釧路()へ向かいました。
釧路で昼食後、釧網線で「美留和」へ。今夜は「きらの宿すばる」でお世話になる予定です。

車窓から見る釧路湿原

安全確認

途中「SL冬の湿原号」とすれ違う(動画

雪原にタンチョウがいた

美留和の駅にて
釧路〜標茶(S)間は、日本最大の湿原「釧路湿原」に沿って走ります。
湿原では「湧き水」が豊富で、凍結していない部分が多い。時折、釣り人にであうが、一体どこから入るのだろう?と不思議なくらいでした。

列車は、恐ろしく時間をかけて走る。車両は1両なのに、運転手さんと作業員が乗り込んでいる。
走って行くうちに理由が分かるようになってきた。エゾ鹿が頻繁に線路を横断するのだ。

警笛を鳴らすが、容易に動かない。脅す意味で間近まで行って急制動を掛ける、そんな繰り返しだ。それでも、ついに鹿を刎ねてしまった!
「只今鹿と衝突しました」と言うアナウンスで列車は停止。
作業員氏は線路の安全確保、運転手氏は「本当に鹿だったのか?」確認に走る。
無線で『人間ではないことを確認した』と報告を入れ、再出発です。

SL冬の湿原号に出会いました。公園で展示されていた機関車をオーバーホールして、現役復帰したそうです(おいらも見習わなくしゃ)。
機関車から飛び散る火の粉で、何度も湿原が燃えたことがあるそうで、今は「冬限定のイベント」だそうである。

美留和に近づくに従い、雪が深くなって行く。海側の湿原の探鳥から「内陸へ向かうのだ」と、風景が教えてくれる。
15:30美留和に到着。
これが駅?って、一瞬驚きました。
すばるのマスターが出迎えてくださいました。今日から、2泊お世話になります。
きらの宿すばるに荷をほどいて、散歩に出ました。
雪の深さは霧多布とは比べ物になりません。踏み固めたところ以外はとても危険に見えます(一人では抜け出せないこともあるらしい)。
すばるには、バードテーブルはあるのですが、付近の別荘は閉鎖が多い(バードテーブルも維持されていない)。餌がないところには野鳥がいるはずもない。散歩しても、森から野鳥の気配が伝わってこない。家内と『明日は観光にしよう』と話していた。
いつも不思議に思うことがある。
「野鳥ガイドさんにはグルメがいない」と言うことである。今回の道東の旅も、食生活は普段よりずっと貧しい。
すばるで期待してよいのは「食事の素晴らしさ」である。では、ご紹介しよう!

帆立とジャガイモのオードブル

南京のポタージュスープ

白身魚のガーリックソテー

数の子のグラタン

知床鶏の赤ワイン煮込み

チョコレートケーキ
如何ですか!
私は、グラタンあたりでペースが落ち、赤ワイン煮込みの途中でスルーしました。お酒を頂いていたので、女将の生家で採れた自慢のお米も食しておりません(ごめんなさい)。
見た目の美しさだけではなく、とても美味しい料理です。もし、ここに1週間滞在すれば「生活習慣病」間違いなしです。
でも、食事つきのお値段は、シティーホテルよりずっとお安いのです。