未知の北海道へ(道西の旅) 160921 
6時起床。
7時より、ホテルでコンチネンタルブレクファ―スト(要は、パンとコーヒーだけの簡単な食事です)

本日の予定は、
7:25ホテル出発⇒余市(ニッカ余市蒸留所見学)⇒島武意海岸・麟晃で昼食⇒積丹半島(神威岬観光)⇒杯温泉
宿泊:杯温泉「潮香荘」

名残惜しい小樽に分れを告げ、日本海沿いの道を余市へ向かう。雲一つない快晴です!


左は売店、右は「試飲」の建物
今日のメインは「ニッカ・余市蒸留所」の見学です。

余市は、朝ドラ「マッサン」ですっかり有名になった『ニッカウイスキー」創業の地です。竹鶴の妻「リサ」の生まれ故郷、スコットランドに似た雰囲気(だと思う)の風景が広がる。

見学時間より、随分早く着いてしまったので、フリーゾーンを見学。

今も、創業時の生産設備が保存されているが、現在は主要工場ではない(モニュメントの要素が濃い)。
生産工程は〜〜製麦⇒乾燥⇒糖化⇒発酵⇒蒸溜⇒貯蔵成熟〜〜で、ここにはすべて整っているが、現在は「製麦⇒乾燥」工程はイギリスで行っているそうです。

ただ、年に2回「Myウイスキーを作ろう」というイベントでは、札幌の自家農園で取れた二条麦とピート(泥炭)を使って、製麦から貯蔵まで行うそうです。参加者にMyウイスキーが渡されるのは「10年後」だそうで、気の長いイベントです。
4万坪あるニッカ余市蒸留所見学ですが、製造にかかわる職員は20名。2交代なので、常時は10名と言う。
ニッカ余市蒸留所は、無料のテーマパークになっており、整理や警備にあたるガードマンの方が、職員よりずっと多い。

まずは正門で「見学」の受付です。
定刻の9時。
見学についてレクチャーを受けました。
この建物は「乾燥工程」を行う工場(創業当時のまま)です。今は、Myウイスキーのイベントの時にしか使われないそうです。中に入ると、ピートを燃やした匂いが残っていました。

ウイスキーの製造工程は歴然としているのですが、工場が工程に従って並んでいる分けでない。どうも「景観重視」で造ったようです。
なお、生産工程はすべて埋設されたパイプラインで結ばれている(創業当時から)。
この建物は「糖化工程」です。
ここまでは、ビールもウイスキーもほとんど同じだそうです。
数日で糖化を終え(まだアルコール分はない)、パイプラインで隣の「発酵工程」へ送られる。
発酵工程で、使う酵母の種類と発酵温度で、ビールとウイスキーに分かれるとか。
アーチ門の左側が「糖化工程」右側は「発酵工程」です。
両者はパイプラインで結ばれているのですが、そのパイプはアーチ門の裏側に隠されている。ここでも、景観が重視されている。
この建物は創建当時の事務所です。
創建当時の会社名は「大日本果汁株式会社」
元々、リンゴ果汁の会社としてスタートを切っている。この社名から〜大日本果汁⇒日果⇒ニッカ〜となっている。

アルコール度数が6度までに発酵したウイスキーは、パイプラインでポットスチルへ送られる。
世界で「ここしか残っていない」石炭窯で蒸溜。1次蒸溜は6時間、2次蒸溜は12時間かけて行われる。なお、真夏と真冬は行わないそうです。
蒸溜が済んだウイスキーは、樽に入れられ「眠り」に着く。
貯蔵倉は温度変化を避けるため密封される。床は「土のまま」でした。

ニッカでは、竹鶴氏の遺訓を守り「最低でも5年熟成」するそうです。
マッサン人気で在庫の枯渇が心配され「ただいま増産中」だそうですが、さて?出荷時期(5年後以降)に需要が減っていれば、大変ですね。

樽は、創建当時はミズナラの木でつくられていたそうですが、もう枯渇してしまい、今は、アメリカから輸入したオーク材となっているそうです。樽に入れられたウイスキーは無色透明だそうですが、樽から成分をもらい琥珀色に変わっていく。
樽は通気性があり、10年で20%ほど蒸発するそうです。これを「天使の分け前」と呼ぶ。ちなみに、熟成期間が長ければ「美味い」わけではないそうです。

リタハウス(創建当時の研究所)

リタの住んだ家(ここへ移築されて保存)
ウイスキー博物館(有料試飲バーがありました。勿論、頂きました!)

試飲と買い物を済ませて、島武意(しまむい)海岸へ向かいます。
途中にあった川に、たくさんのオオセグロカモメがいました。
島武意海岸到着。
まずは「腹ごしらえ」です。迷うことなく『ウニ丼(2000円)』を注文。1割引きの券があったのに、使うのを忘れた。残念!

山葵醤油で食べることになっていましたが、そのままいただきました。文句なく旨かった!

島武意海岸(日本100渚)

次は、神威岬が目標です。実はあまり期待していなかったのです。とにかく時間が余ったので「寄ってみた」のですが…
文句なしに『素晴らし〜!!!』でした

昔は、これより「女人禁制」であった







これで先端に到着、積丹ブルーが美しい!
アップダウンの激しい道で、ところどころ「空中ブリッジ」になっている。片道20分の道のりです。これより引き返します



神威岬への往復で見かけた野草たち。近畿なら「こんな名前だな」と思うものが多かったが、微妙に違うようにも見える。きっと、頭に「シマ」とか「エゾ」がつくのかな?







今日の泊りは、北海道古宇郡泊村にある盃温泉「潮香荘」です。
まったくのド田舎の温泉で、施設もまあ自慢できるものではありません。
ここを選んだのは、
 ・ノンビリできること(中国人はいない)
 ・本物の温泉があること
到着は14時半、ホンマに何もない。眼下に泊漁港があり、イカ釣り船が休んでいる(まったく漁にならないため)。

今回の旅では、探鳥は「望み薄」とは覚悟していたが、それ以前の話です。
泊漁港に散見できるのは、オオセグロカモメとカワウだけ。ここではスズメすらいない。

ノンビリは出来るのですが、時間が余って仕方がない。観光名所は「弁天島」と言うことで、行っては見たのですが…
国道から橋で結ばれた弁天島。きっと弁天さんが祭られていると思ったのですが、それらしい祠らもない。で、まあ5分ほどで飽きてしまい引き上げた。

温泉へ行った。最近はやりの「各種浴槽」はない、あるのは、露天風呂と大きな湯船だけ。泉質は、カルシウム・ナトリウム - 硫酸塩泉(源泉温度43.9℃)。湯量も豊富で、文字通り「かけ流し」です。
ここは、村指定の温泉で、無料券を持った村人が三々五々やってきて、結構賑わっている。
(写真下は、弁天島)
夕方5時半、日が暮れて「夕食」になりました。「誰が食べるネン」と言う量です。

お造りの船盛も半端じゃない。
ヒラメ1匹活け造り、ボタンエビ、アワビ、ブリ、鮭、貝柱など。

お膳は、エビグラタン、一夜干しの魚(種類が分からない)、天ぷら(ナス・エビ・イカ)、あえ物2種(鮭と数の子)、茶わん蒸し、モズク。これに味噌汁、漬物でした。

日本酒2合とビール(中生)で、しっかり酔いました。