薩摩の旅「ナベヅルと城下町散策」
221212
半世紀ぶりの鹿児島です。そして探鳥で初めて訪れます。
今年は、鳥インフルエンザで大変なことになっているようですが、城下町散策と併せて楽しんできます。


 12月12日(月) 晴れ
4時半に起きて、5:20に我が家を出発。関空へ向かう。
 ・関空7:00発peach/MM191便で鹿児島へ向かう。
鹿児島空港8:10到着。予定よ10分早かった。隣では「鬼滅の刃」が止まっていました。

空港でレンタカーを借りて出水へ向かう。

■出水市麓歴史館「武家屋敷群」
まずは、出水市麓歴史館(写真右)で情報集めです。

徳川幕府の「1国1城」を受入れ、鹿児島城以外(100余城)を廃棄し、その代わり廃城(山城)の麓に武家屋敷群(113ヶ所)つくる。これが「外城」と呼ばれる軍事拠点になり『麓(ふもと)』と呼ばれる。

薩摩の旅で共通したことは「どこっへ行っても丁寧な説明が受けられた」ことです。全く予備知識なしの旅行で「麓」の意味も知らなかったのですが、お蔭さまで楽しい旅行になりました。

関が原での敗北以前は、多くの城があり、ここ出水にも城がありました。シラス台地の城で、廃城後の荒廃が酷く、明治期の植林で「出水城は跡形もなく消えたそうです。いま、残るのは「城門」だけだそうです。

写真下は文献をもとに造られた模型です。
これを見ると「尾根ごとに城」があり、土着の武士(屯田兵)が収めていた。城には曲輪もあり、今まで見慣れてきた山城の概念と違う。なお島津家から総指揮官が派遣されていた。






出水麓を歩きました。これは見応えがありました!

出水は、国境の地です。
徳川の息の掛かった熊本(細川家)に接しているだけに『臨戦体制』の街です。

武家屋敷4~5軒で1ブロックを形成(これが戦闘単位なんだろう)。
道は五番目に切られてますが、地面を掘り下げ川石を積み上げています。塀はなくマキの木の生垣です。これは「道行く敵を生垣越に長槍で突き刺す」ためのモノだという。まさに「ゲリラ戦」の町つくりです。

門を潜ると「枡形虎口」の形式になっており、家屋敷を見渡せない。これも敵を迎え撃つ仕掛けであろう。

公開されている数件の武家屋敷を見学したのですが、かなりの上級武士でないと、玄関はない。

建物には縁側がめぐらされており、客のランクに従い、部屋に面した縁側から家へ上がった。この作り方は、沖縄の住居も同じです。やはり共通する文化があったということであろうか?

各家には「庭」があり、地面は三和土になっている。これは武術の稽古場であろう。

雨の日に備え室内にも『弓の練習」が出来るようになっていた。また、室内は天井が高く「室内戦闘(槍も振るえる)が可能」になっている。

※ここで紹介する武家屋敷は「城代」に相当する「税所邸」です。そのため、石垣は切り石で、玄関もあった。



薩摩では、廃仏毀釈が徹底されたという。特に、一向宗とキリスト教は弾圧の対象であった。領主を崇めぬ教えが嫌われたのであろう。
そのため、町並みに「お寺がない」
出水麓にもお寺が少なく、今あるのは維新後のモノだそうです。
出水麓の見学を終えて、写真右の「蕎麦屋で昼食」のつもりでしたが、あいにくこの日は定休日でした。
かなり有名なお店だそうで、きっと「美味しい」のだろう。写真で見ても「良い雰囲気」が分かる!入ってみたかったなア

出水麓最後のご紹介は「出会った野鳥」です。
 ・エナガ
 ・シロハラ
このほか、ヤマガラ・シジュウカラ・メジロ・ヒヨドリ・ミヤマガラスがありました。


昼食のため「五万石」へ向かいます。

出水と言えば、
1.「ツル」の町
2.「出水麓」
3と言えば「造園の町」だそうです。出水市の「市の木はマキの木」そのマキの木を剪定した街路樹が見事です。

■五万石酒造で昼食
昼食と「試飲」を注文。私は「薩摩牛と蕎麦」家内は「天ザル」で食事。とても美味しかった!
私は、薩摩牛をアテに「試飲」です。試飲と言っても、4種類の焼酎が出てきて半端ない量です。しっかり飲んだ!旨かった
食事の後は売店で「土産の焼酎」を購入。これで、今回の旅行んの目的「ツルの観察」へいきました。


■出水クレーンパーク

いわば「ツルの研究施設」です。ここで予備知識を入れる。

出水に入れば、もうあちこちでツルに出会えるわけで、わざわざ「保護区まで行く必要もない」と思うほど出会います(これは大きな間違いだけど)。

それにしても、こんなアカウント、誰がするのだろう?



■出水市ツル観察センター

「百聞は一見にしかず」で、ツルの多さに圧倒される。今年は、鳥インフルで1,000羽以上の被害が出て「これでも少ない」という。保護区だけではなく、周辺の田圃にツルが無造作にいる。和歌山にツルが入れば右往左往するのに、ここのスケールは別格です。
 ・ナベヅル
 ・マナヅル
 ・カナダヅル(僅か数羽なのにあっけなく出会ってしまった)
 ・ミヤマガラス(大陸から渡って来る小型のカラス)ここには「普通のカラスはいない」みたい
 ・タゲリ(数十羽の群れに圧倒される)
 ・カモ(マガモ・コガモ・ハシビロガモ・カルガモ)
 ・ダイサギ・コサギ

1000円の協賛金を払い、保護区に入るためのレクチャー(消毒方法やマナー)を受ける。
1000円はオールマイティーで、駐車場利用やツル観察センターの入場料にもなる。


ツルの群れ



ナベヅル




マナヅル



カナダヅル



タゲリ

ミヤマガラス

スズメ(時折ニューナイスズメが混ざるので油断できない)

アオサギ


ダイサギとコサギ

トビ
これで終了して、お宿へ向かう。

途中、河口に「水鳥のお宿」がありました。鳥にとって、もう「日暮れ」です。ここで出会ったのは、
 ・コガモ
 ・ハシビロガモ
 ・イソシギ
 ・ハマシギ
 ・カルガモ
 ・ハクセキレイ
今夜の泊りは「ペンションわらびの丘」0996-64-8282

宿泊1日2組だけのペンションで、探鳥地が一望できる。
私達は2階の洋室。
1階は和室で、ポールさんとおっしゃる「スキンヘッドの外国人」さんでした。とても、日本語が流暢でした。

ご主人は73歳、リタイア後にはじめたそうで、料理の素材は地元の釣り人から提供してもらっているそうです。
 ・アジト太刀魚のお造り
 ・小鉢3品
 ・サラダ
 ・肉じゃが
 ・太刀魚の焼きあげ

一杯飲んで、9時には爆睡でした。