30年ぶりの南紀旅行
9月29日
 9月29日(火) 
昨夜は2合弱のお酒で酔いつぶれ、歯磨きもしないまま、7時半には爆睡でした。この数日、旅行前の仕事が忙しく、睡眠時間がかなり減っていたので、久しぶりにたっぷりの睡眠時間でした。
6時に起床、館内の大浴場にゆっくり浸かる。

7時半から朝食です、スタイルは昨夜と同じで、指定席に座り配膳を受ける。
昔ながらの「旅館の食事」と言った雰囲気です。
これで「夜食でも充分」と言った量でした。
最近の観光ホテルは「これでもか」と言った料理が出てくるので、年寄には多すぎますね!

呆れるほど野鳥はいないけど「ダイエットは明日から」という旅行になってきました。

朝ドラ「エール」を見てからチェックアウト。少々のお土産も購入しました。
今日の予定は、わたらせ温泉を出発して、新宮速玉大社⇒勝浦(カツオを食べる)⇒太地(くじら博物館)⇒古座⇒滝の拝(絶景)⇒古座⇒串本(はしくい岩)⇒白浜(泊)

まずは、熊野川に沿って「新宮」へ向かいます。
熊野川の川幅の広さに驚きます。これだけ広大な川が、数年ごとに「大風水害」を起こすことが信じられないほどです。
ただ、両岸は名もない滝タカキがある。広大な熊野山地に降った雨が、全てこの川に流れ込む。広大な流域面積を抱え、この地は日本有数な降雨量を誇る。

わが国の平均的な川のキャパは300倍です。つまり、平常時の流量の300倍まで耐えられる。熊野川のキャパはもっとあるように感じましたが、気温上昇で降雨量はもっと増えているのでしょう。

熊野速玉大社(新宮)に到着。
境内にある「佐藤春夫」の文字が眼に入った。文学に疎い私でも知っている文豪で、なんと!新宮の出身だそうです。
東京文京区にあった家を平成になって移築したそうです。

なかなかオシャレな造りの洋館です。狭い部屋が好きだったそうで、大きくはない家を細かく仕切ってありました。

内部写真が取れないので、外部で記念撮影。
SNS時代を迎えて、写真OKのミュージアムが増えている。SNSで写真が拡散して知名度を上げている現実がある。熊野本宮大社の境内撮影禁止と言い、ちょっと時代から「ズレて」いると感じました。
これでいよいよ熊野速玉大社参拝です。ここは階段がなく、家内でも安心です。

梛の大木を見て山門を入る。

二礼二拍手一礼をして、祈ることはいつでもどこでも家族の「無病息災」だけです。

社殿は鮮やかな「朱と青」に塗り分けられている。この費用の募金があり、一口2000円を寄進。お礼にお札を頂き、どこかに使う銅板の1枚に祈願を書き入れました。

ここは「熊野詣のメッカ」です。
歴代天皇や上皇のランキングがありました。
 ・後白河上皇 34回
 ・後鳥羽上皇 28回
 ・鳥羽上皇  21回
ベスト3だけでこれだけあります。
ゲスな私は、信仰心でこれでけ来るだろうか?と思ってしまう。数千人のお供を従えての行幸だけに、半端ない費用が掛かったことだろう。
権力を見せつける目的と「温泉遊興」が、本音ではなかろうかと勘繰っている。

速玉大社の参拝を済ませ、次に、カツオ茶漬けの「萬口(まんこう)」をナビに入れて出発。
これが大間違いでした!
萬口があるのは勝浦ではなく串本でした。
橋杭岩が見えてきて(写真右)間違いに気づいたですが、もう後の祭りです。
結局、勝浦も太地も通り越してしまい「またの機会」になりました。

このチョンボは家内が「カツオ・・・勝浦」と思い込んだのが原因でした。もう臨機応変にチェンジするしかありません。
予定変更で古座の橋杭岩道の駅です。

橋杭岩は太古のマグマが隆起して、柔らかい部分が風化して「杭のように残った岩」です。

紀伊半島は、日本最大のカルデラで、橋杭岩も外輪山の名残りです。

風化は今も進行しており、足元の散らばる大きな岩は、波風で崩れたものの残骸です。
今でも、突然崩壊する可能性があり、当然「注意」の札があります。ただ、無視して足元まで行く人も多かった。

駐車場には県外ナンバーが目立ちました。人で多く、GoToキャンペーン効果が出ているように感じました。ちなみに、風の強い中でも「マスク着用」で守る人が多い。私なりに疑問を感じましたが従いました。

ここの名物は「キンカンソフト」で、美味しくソフトクリームを頂きました。とってもキンカンの香りが高いソフトでした!

橋杭岩の道の駅を後にして、串本の「萬口」へ向かいます。
萬口はカツオ料理の専門店。
SNSの口コミのおかげで「行列のできる店」になったみたい。昔は古い建物だったそうですが、今はピカピカです。開店は11時半です。

私たちは11時についてしまい、行列の先頭です。実際に店が開いたのは11時45分で、その頃は「長蛇の列」になっていました。
開店が遅れた侘びはなく、突然有名になって「偉くなった」と勘違いしているのではと思える不快さが残りました(これは私の個人的感想です)。

このお店のトップ商品は「カツオのお茶漬け」で2100円と安くない。
胡麻だれの「漬けカツオ」を
 ・1杯目は「ごはんに載せて」食べる
 ・2杯目は「茶漬け」で食べる
 ・3杯目は漬けカツオの卵かけご飯
食べる順序のレクチャーは良いのですが、ご飯の量まで指図されるのは参った。言われたままなら「お櫃に2杯」になる。とても食べられないので、指図は無視て3回に分けた。それでも、お櫃に7割ほどになり「食べ過ぎ」となり、後々まで響いた。

相当濃厚な「胡麻だれ」で、美味しくはあるのですが、時間とともに「お腹にもたれ」て気分が悪くなった。
途中、車を止めて消化剤を出して飲んだ。それでも、この夕食がまともに食べられなかったは悔しい!

食後、古座までUターンして、古座川をさかのぼります。目的地は「滝の拝」です。ここにはこんな民話があります。

支流小川にあって川床すべてが床岩で大小さまざまな奇形の岩穴(ポットホール)があり、 中央には滝があります。

夏には滝壷に鮎が密集し、それを素針にてかけるのに連日釣り人でにぎわいます。
また毎年7月には滝の岸壁に無数のボウズハゼやヨシノボリがよじ登っているのを見かけることがあります。

大小の岩穴は「ポットホール」と呼ばれ、河床などのくぼみに石が入り込み、水流により回転しながらくぼみ部分を削っていくことで円形の穴が出来たものです。
古座町は「南海熊野ジオパーク」の認定を受けています。
 ・橋杭岩
 ・滝の拝
 ・1枚岩
などがあります。
家内は初めてだったそうですが、私は数年前に訪れています。

数年前まで、和歌山県自然公園指導員をしており、指導員講習が古座で行われおりに、講習の一環として訪れていました。

次は、宿泊地の「白浜」をナビに入れたのですが、複数のルートが出てきました。
結局、これが良かったようで、勝浦や太地はロストしましたが、拾い物も多かった。

では、出発です!、


ポチッとしたルートに偶然「1枚岩」がありました。巾500m×高さ100mの日本最大の1枚岩です。

グーグルナビの案内は、とんでもなく細い道をへっちゃらで案内する。
美しい渓谷沿いの道ですが、すれ違いもままならぬ道幅で、ひやひやしながら走りました。
お陰で、出会ったのが
宝泉寺の境内にそびえ立つ立派な大銀杏は樹齢約400年もあり、幹の周辺は約6m、高さは約22mにも達する。紅葉のシーズンには黄金色に染まり、そびえ立つ姿は圧巻で、根元に広がる落ち葉も美しさは見る者を和ませる。

残念ながら、紅葉にはまだ早い季節でした。見事な大銀杏でした!

山道を抜けて、やっと広い通りに出たのは「すさみ町」です。
道の駅で一休みしようと立寄ったのですが、ここには「日本一貧乏な水族館」がありました。すさみ町立「エビとカニの水族館」です。

私の知る限り「日本一金を掛けていない水族館」です。その代わり、アイディア満載でとても楽しかった。
 ・大水槽はどこにもない
 タカアシガニの水槽が1番大きいのですがこれは「テント生地」
 ・他は家庭用の水槽
 ・展示の多くは「南紀の猟師さんの網に掛かったもの」
 ・入場券(800円)でガラガラが回せる。カスでしたが「ウミガメの餌」がもらえた。これが楽しかった



今度こそ白浜へ向かいます。今夜の泊りは、ブランシェット南紀白浜(0739‐43‐2100)です。15時のチェックインでした。

昨夜が「古式豊かな温泉旅館」なら、今日は若者が好む「超飛んでるホテル」です。
予約は満室で、人気の高さが分かります。チェックインカウンターは「3密」状態でした。
 ・県外ナンバーの車が目立つ
 ・当然、私たち夫婦は宿泊者では「超シニア」になりました。

海外では多い「分棟式のリゾートホテル」です。我が国でも、バブル時代に一世を風靡した方式ですが、バブル崩壊とともに姿を消しました。
ブランシェット南紀白浜は最近の竣工で、即応体制のGoogleナビ」でも、明確な案内が出ませんでした。

建築屋のはしくれとしてから見れば感心する建物でした!
広くはないのですがオープンすめーすを巧みに使い、開放感があってプライバシーを確保する手法は、心憎いばかりです。
アイディア満載のグッドデザインですが、高価な素材は使っておらずコスパも最高でした。ただ、「建築屋泣かせ(難度の高い施工法)」が各所で見られました。
単純に好みで言えば、昨日のホテルよりこちらの方が好きでした。

家内もまあよくこれだけ対極的なホテルを選んだものです。それでは、建物群を紹介します。

今夜の泊りは「229号棟」赤いタイルの建物です。
壁から飛び出した出窓は「外灯」を兼ねて、玄関の明り取りの待っていました。

2ベッドとエキストラベッドになるソファー。洗面、トイレ、バスルームから構成されています。広いクロゼットは、長期滞在を意識したものであろうか


円形のバスタブ、ドアを開ければ「露天風呂テイスト」です。

プライバシーを考慮した、テラスと光庭。よく考え抜かれています。

費用は夫婦で40500円。
これを補助金利用で16000円で利用出来ました。

ベッドに横になって気が付いた!外観だけではなく室内の天井もピラミッドでした!突き出たバーに照明が仕込んであり、面白いアイディアだと写真に撮りました。

夕食は18時から(もう満席で「割り当て」です)。
分棟式のリゾートホテルの欠点は、レストランまで遠いことです。
時折、雨がぱらつきましたが、傘がいるほどでもありませんでしたが、風雨のキツイ時はレストランへ行くのも難儀です(沖縄でそういう経験をしたことがあります)。

指定時間にレストラン前のロビーに着いたのですが、ここでも待ち時間がありました。
やっと順番が着て、席に案内されました。

今夜はバイキング方式ですが、新型コロナ感染を防ぐ方法は、
 ・食べるとき以外は常にマスク着用
 ・料理をとる時は消毒して、使い捨て手袋着用(二度使わないのでいっぱい消費しました)
もし、外国人がいたらうんざりするだろう。

料理は、シェフが目の前で作るバイキング料理。ルールが面倒でしたが
 ・料理は抜群
 ・お酒は飲み放題
 ・デザートも最高でした。
最近は「和食が多い」のですが、久しぶりに洋食も堪能しました。
でも昼食が響いていて、食べたい気分の「1/3」も入らなかったのが悔しい!


写真の料理は二人分です。
 ・ステーキは特別料理
 ・てんぷらは「松茸」の揚げたて
 ・握り寿司は、オーダーでにぎってくれる
 ・お造りは10種類ありました
 ・デザートがメチャ旨い!
 (ほとんど家内が食べた)

折角「お酒飲み放題」なのに、お腹の具合がイマイチで、ほとんど飲めなかった。
この日は21時就寝でした。